犬の飼育本やトレーナーさんのしつけ動画を見ていると出てくる「ハウス」という言葉。
「ハウスに入りなさい」という意味のしつけコマンドとして、よく使われていますよね。
けど、「ハウス」を指す場所の意味を調べてみると、
『ケージのこと』って書いてあったり
『クレートのこと』って書いてあったり
『サークルのこと』って書いてあったり
いろいろな意味で使われていて、混乱してしまうと感じたことはありませんか?
結局、ハウスってどういう意味?
この記事では、犬の「ハウス」の意味と違い、どうしてハウスが必要なのか、コマンドの「ハウス」を教えておきたい理由やしつけの方法を、一人暮らしで愛犬を飼っているわたしの体験談を交えてご紹介します。
ぜひ最後まで読んで、愛犬との暮らしに役立ててもらえたら嬉しいです。
犬の「ハウス」には2つの意味がある


犬の「ハウス」という言葉は、以下の2つの意味で使われています。
順番に解説していきます。
安心できる場所という意味の「ハウス」
1つめは、愛犬が安心して休める「お家」としてのハウスの意味です。
具体的には、ケージ・サークル・クレートなど、愛犬が中でくつろいだり寝たりできる囲いのある空間のことを指します。
愛犬にとって「お家」になる場所のことを「ハウス」と呼んでいます。
犬にとって、ハウスとはテリトリーのようなもので、「安心して過ごせる自分専用のスペース=お家」ということなんですね。
しつけコマンドの意味の「ハウス」
2つめは、「ハウスに入りなさい」という意味で使うしつけコマンドとしての「ハウス」です。
合図をすると愛犬がスッとハウスに入ってくれる、トレーニング動画でよく見かけるやつですね。
ハウストレーニングは、愛犬がクレートやケージなどの「ハウス」にスムーズに入り、落ち着いて過ごせるようになるためのしつけです。
「ハウス」という言葉は、入る場所の呼び名として、しつけコマンドとしても使われています。
(参考: アニコム損保|犬のしつけの基本(4)フセ・ハウス)
なぜ「ハウス」が必要なの?


犬は狭くて囲まれた空間を本能的に好む生きものだと言われています。
これは、犬の祖先がオオカミで、洞穴や穴ぐらを巣にしていた名残。
「自分から外は見渡せるけれど、周囲が囲まれている少し狭いスペース」が、犬にとっては安心して休める場所なんですね。
犬の習性がわかると、「狭いところに閉じ込めてかわいそう」じゃないんだなって思えてきますよね。
愛犬にとってハウスは檻ではなく、安心できる「自分専用のスペース」として必要な場所なんです。
(参考: アニコム損保|犬はハウスが好き!)
一人暮らしこそ「ハウス」を教えておきたい3つの理由


しつけコマンドの「ハウス」は、一人暮らしで犬を飼うなら教えておきたいことの一つです。
ここでは、「教えておいてよかった」と感じる場面を3つに絞ってご紹介します。
留守番
一人暮らしで犬を飼うと、日中の留守番はどうしても避けられませんよね。
室内フリーで飼われているお家も多いと思いますが、個人的には留守番をさせる時はハウスで過ごしてもらうのが安心だと思っています。
外出で不在の間、愛犬を部屋の中で自由にさせておくと、誤食・配線の噛みちぎり・家具への登り降り事故など、ヒヤッとする場面が出てきます。
万が一、大きな地震などの災害が起きたときも、頑丈なケージの中にいれば、落下物などの危険から愛犬の身を守ってくれるかもしれません。
ハウスに入ってもらうだけで、留守中の事故リスクが大幅に下がると考えています。
わたしは外出前は「ハウス」の中に入ってもらうのが、毎日のルーティンになっています。
一人暮らしだと「誰も見ていない時間」が必ず発生するので、しつけコマンドでハウスに確実に入ってもらえる状態にしておくと、安心感が大きいです。
▼一人暮らしの留守番については、下記の記事に詳しくまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。


急な通院・災害時
一人暮らしの場合、体調不良や災害時は一人で対応しなくてはいけません。
このとき、クレート(ハウス)にスッと入ってくれるかどうかで、対応スピードがまったく変わります。
いざというときに、ハウスに入ってくれなくて時間をとられたら、避難が遅れてしまうかもしれません。
環境省の「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」でも、避難所で受け入れてもらうためには「クレートの中で落ち着いていられること」が前提と案内されています。
普段から「ハウス」に入る習慣がついていれば、通院時も旅行時も、そして万が一の避難時も、愛犬を抱えて右往左往せずに済みます。
来客・宅配時
玄関のチャイムが鳴った瞬間、愛犬が飛び出していく。
これも、賃貸暮らしの一人暮らしだとヒヤヒヤする場面のひとつですよね。
家族がいれば誰かが愛犬を抱えてくれるなどの分担ができるのですが、一人暮らしだと玄関対応と愛犬の制御を同時にこなす必要があります。
うちの愛犬もインターホンが鳴ると「ワンワン!」と吠えてしまうので大変です…
「ハウス」の一言でスッとハウスに入ってくれれば、宅配や来客の対応の間も、愛犬は安全・飼い主さんは落ち着いて対応できるので、教えておくといいなと思います。
しつけコマンド「ハウス」の教え方


ここからは、しつけコマンドの「ハウス」をどう教えていくかのお話です。
やり方は、トレーナーさんによってなど細かな違いがありますが、基本は5ステップです。
【ステップ1】ハウスの中におやつを置いて、愛犬が入るのを待つ
まずはハウスの奥におやつを置き、愛犬が自分から入るのを待ちます。
愛犬がおやつにつられてハウスに入ったら、「いい子!」など、声をかけてたっぷり褒めてあげましょう。
この段階では「ハウス」のコマンドは、まだ言いません。
「ハウスに入る=いいことが起きる」という体験を積み重ねるのがポイントです。
おやつを食べたくてハウスに入ってくれるので、クリアしやすいステップでした。
【ステップ2】入った瞬間に「ハウス」と声をかける
ステップ1を繰り返して、愛犬がハウスに入るようになってきたら、ステップ2に進みます。
愛犬がハウスに足を踏み入れた瞬間に、今度は「ハウス」と声をかけます。
行動と言葉をタイミングよく重ねることで、この動きが「ハウス」なんだと愛犬に教えていく段階です。
声のトーンは明るく、褒め言葉とセットで繰り返し伝えることを意識しました。
【ステップ3】先に「ハウス」と声をかけて、入ったらおやつをあげる
今度は、おやつを置く前に「ハウス」と声をかけます。
声を聞いて入ってくれたら、おやつと褒め言葉をたっぷりあげましょう。
ここで、初めてコマンドが「指示」として機能し始めます。
すぐにできなくても焦らず、愛犬のペースに合わせてステップ1〜3を繰り返しましょう。
マルの場合は、おやつを使いながら練習したところ、コマンドも数時間で覚えてくれました。
【ステップ4】少しずつ距離を離して練習する
愛犬のすぐ近くで声をかけていたところから、少しずつ離れた位置に移動して「ハウス」と指示を出してみましょう。
最初は1〜2歩離れるだけでOKです。
離れた場所からでもコマンドでハウスに入れるようになると、実生活のいろいろな場面で役立ちます。
距離が遠くなっても合図で入れるように練習していきましょう。
おやつの力を借りながらですが、マルも少しずつですがコマンドでハウスに入るようになっていきました。
【ステップ5】おやつの頻度を減らしていく
合図だけでスムーズに入れるようになったら、おやつを毎回あげるのをやめて、2回に1回、3回に1回と段階的に減らしてみましょう。
おやつなしでもコマンドに反応してくれる状態を目指していきます。
無理やり押し込むのではなく、「ハウスに入る=いいことがある」という結びつけを作って、愛犬が自分から入りたくなる状態をつくることを意識しましょう。
まだまだおやつの力が必要ですが、マルはお留守番の前もハウスに入ってくれるようになりました。
(参考: ペピイ|犬のハウスのしつけ方は?効果的な練習方法とコツ)
ハウストレーニングでよくある失敗と対処法


ハウストレーニングでつまずきやすいポイントと、対処のコツを3つまとめました。
おやつがないと入らない
覚えたての時期におやつを毎回あげていると、「おやつがないなら入らない」と学習してしまうことがあります。
対処法は、ステップ5のおやつの頻度を少しずつ減らしていく練習を根気強く続けることです。
毎回→3回に2回→2回に1回→気まぐれにと段階的に減らして、おやつがなくてもコマンドでハウスに入れるようになるまで、ゆっくり時間をかけて練習していきましょう。
罰としてハウスに入れてしまう
いたずらをしたときに「ハウスに入ってなさい!」と叱るときに使うのは、避けたほうがいいでしょう。
ハウスが「ペナルティ」として記憶されてしまうと、せっかく築いた「ハウスに入る=いいことがある」というイメージが崩れてしまうからです。
ハウスはあくまでも「愛犬が安心できる場所」として使うようにしましょう。
吠えたら出してしまう
ハウスに入れた直後、愛犬が吠えたり鳴いたりすると、つい扉を開けてあげたくなりますよね。
でも、吠えているタイミングで出してしまうと、「吠えれば出してもらえる」と学習してしまい、ハウスから出たいという要求吠えの原因になることがあります。
対処法は、静かに落ち着いた瞬間に扉を開けること。
最初は数秒でも大丈夫なので、「吠えるのを止めた→扉を開ける」の順番を守ると、「静かにしていると、出してもらえる」というルールを覚えてくれます。
どうしても鳴き声が長く続いてしまう場合は、ハウスがまだ愛犬にとって安心できる場所として受け入れられていないサインかもしれません。
その場合はステップ1〜2に戻って、「ハウスの中でおやつを食べる」体験を積みなおして、ハウスを好きになってもらうことから始めてみましょう。
まとめ|「ハウス」は愛犬にとって安心・安全の意味がある
犬の「ハウス」には、「安心できる場所」と「ハウスに入るしつけコマンド」の2つの意味がありました。
一人暮らしで犬と暮らすうえで「ハウス」を覚えさせておくと、以下の3つの場面で役立ちます。
- 留守番中の事故を防ぐ
- 急な通院・災害時にスムーズに対応できる
- 来客・宅配時の興奮をおさえられる
教え方の基本は、おやつを使って「ハウス=いいことがある場所」を体に覚えてもらうこと。
ハウスを味方につけて、素敵なワンダフルライフを始めてくださいね。









